簿記の話〜その22〜 「貸倒引当金」

簿記の話〜その22〜 「貸倒引当金」

 簿記の話〜その22〜 「貸倒引当金」


回収できない売掛金を予測して、あらかじめ当期の費用として計上する方法が
あります。貸倒引当金の計上です。これは、当社の業界等を基準として売掛金
を始めとする債権全体から相殺できる負債の総額を差し引いた金額に規定値を
掛け合わせます。


例えば、100の債権に対して3%なら、3を当期の引当金として計上するこ
とになります。

(貸倒引当金繰入)    3 / (貸倒引当金)    3

となります。なお、債権額は期末の残高になりますので、前期に多額の引当金
計上をしたとき、当期は引当金が減ってしまう、ということもあります。


例えば、前期の引当金残高が5であったが、当期に計算すると3になる場合

(貸倒引当金)      2 / (貸倒引当金戻入)    2


常に、期末債権残高に対して引当金残高が決まることを覚えておいてください。
引当金は、たくさん計上した方が得などということはありません。回収できる
に越したことはないのです。


科目の属性を説明します。
貸倒引当金は、負債科目ですので、貸借対照表の右側が定位置です。
貸倒引当金繰入は、費用科目です。
貸倒引当金戻入は、収益科目です。
損益計算書においては、費用科目が左側、収益科目は右側が定位置です。



つづく