簿記の話〜その24〜 「減価償却(げんかしょうきゃく)その2」

簿記の話〜その24〜 「減価償却(げんかしょうきゃく)その2」

 簿記の話〜その24〜 「減価償却(げんかしょうきゃく)その2」


前回、お話しました減価償却の方法は、直説法と呼ばれるものです。特徴は、
償却された資産の勘定科目の簿価が処理をするたびに減っていくことです。


車は1台あり続けるのに、簿価がだんだんと減っていきます。償却の処理をす
るともはやそこには購入したときの簿価、「取得原価(しゅとくげんか)」が
なくなっているのです。


この表示は、車の時価を指していると考えると理解できるのですが、車は1台
のままだから帳簿上も取得原価を載せておきたいと考える方もあるでしょう。


そこで、今回は、取得原価をそのまま表示した上で減価償却をする方法につい
てお話します。この償却方法は、「間接法(かんせつほう)」と呼ばれます。


例えば、300万円の車を買って、5年間にその費用を按分する場合。単純に
割り算をすると1年分は、60万円の経費となります。これを5回繰り返して
300万円全部を費用化(償却)するわけです。


これを仕訳すると、
車両購入時は直接法と同じで、

(車両)      300 / (未払金)   300

そして、決算時に

(減価償却費)    60 / (減価償却累計額)    60

となります。これで、毎年60万円ずつ車が減っていくことはなくなります。
車は1台のままで、取得原価300のままです。間接的に車の簿価を減らして
いるので、「間接減価償却(ちょくせつげんかしょうきゃく)」と言います。


この減価償却累計額(げんかしょうきゃくるいけいがく)は、車両を売却した
り廃棄するときに帳簿から消えてなくなります。

(現金)         5 / (車両)   300
(減価償却累計額)  280 /
(車両売却損)     15 /

上の例では、売却時に現金5を受け取りましたので、差し引き15の損失が発
生しました。そこで、「車両売却損(しゃりょうばいきゃくそん)」を15と
して、貸借を一致させます。




つづく