第4号 「貸借一致の原則」

第4号 「貸借一致の原則」

 簿記の話〜その4〜 「貸借一致の原則」

前回の右投げの話、どうでした?
この例えは、ずっと使いますので。

貸借対照表は、右と左に縦長の長方形をくっつけた形をしています。
左右の長方形の大きさは一緒です。

右手で投げたものの大きさ(簿記では金額で表示)は、
左手が受け取ったからといって、
変わりません。

簿記は、すべてがこのキャッチボールですから、
左右の大きさは、常に同じです。
このことを「貸借一致の原則」といいます。

前回のモデルを仕訳に表しますと、

(現金)500 / (借入金)200
        / (資本金)300

左側の500と右側の合計500が一致しています。
おっと、「仕訳(しわけ)」を説明していませんでした。

「仕訳」とは、上のように、
右と左に分かれて、取引を表示している状態をさします。

「手元の現金500があるが、
これは銀行からの借り入れ200と株主からの出資300からなる」
という状態をあらわしています。

当然のこととして、左右は500同士で一致しています。
この「仕訳」がどんなに複雑に行数が増えても
左右の金額は一致しています。

このことを「貸借一致の原則」といいます。

あれっ?
左右一致が貸借一致?
じゃぁ、「貸」と「借」は「右」と「左」なの?

そのとおりです。
「右側」を「貸方(かしかた)」
「左側」を「借方(かりかた)」
といいます。

これは、注意して覚えてくださいね。
右と左を間違えて覚えているお子様を時々みかけますが、
なかなか正しく直りませんから。

そういう私も
実は、急に聞かれると、答えることができないのです。
(だから、知らなくても、かまいません)

「大きな声では言えませんが、どうでもいいのです。」
「右側」・「左側」でいいのです。

でも一応、覚えてくださいね。
覚え方をお伝えします。
右投げの話を覚えていますか。

ボールを他人に渡す(貸す)とき、
右手で渡し(貸し)ますね。
はい、右側が、「貸方」です。

一方、そのボールを受ける(借りる)人は、
左手のグローブで受けて(借りて)ください。
そう、左側が、「借方」です。

まずは、こう、覚えてください。
右手と左手の役目をはっきりさせる、
いい機会ですね。

本当のところ、なぜ貸方借方という言葉を使うかについて
詳しく、明確に説明している文献を知りません。
私の「右投げ説」でいいじゃないですか。

むしろ、英語表記(英文簿記)のほうがよくわかります。
でも今ここで英文簿記を持ち出すと
話がややこしくなりますので、ちょっと間を置きます。

この号はここまで。
「右投げ説」は万能です(笑)。